日本人はどうやって海を渡ってきたのか?
「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」への参加
カヤックで旅をするという生活の中で、縁あって国立科学博物館が主催する「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」に参加する機会を得ました。
このプロジェクトは、舟の材料を集める段階から古代の人々が使っていたであろう貝や石から作った道具を使い、人の手で舟を作り上げ、人の手で漕ぐ、3万年前の人類が、大陸からどんな舟で海を渡り日本にやって来たのかを実証するもの。
日本一周のカヤック旅が個人プレーなら、このプロジェクトはチームプレー。孤独な旅を体験しているからこそ、余計にひとりじゃないことの心強さや、会話のできる喜び、人とのつながりのありがたさを実感できました。
私見でも、舟って人類最古の道具を使った移動の象徴ではないかと思うんです。そして、舟を作ることは、そのコミュニティにとって一大事業だったであろうし、皆で協力しあい、意見しあいながら舟作りを進めることで、人と人との絆が深まり、お互いの意志の交換のための言語が育まれていったんじゃないでしょうか。それを実体験できたのは貴重な経験です。
草束舟、竹筏舟、丸木舟と全ての舟の漕ぎ手を努め、丸木舟では台湾から与那国島まで、世界最大級の海流である黒潮を越えて45時間・220kmにわたる航海に成功しました。交代しながら漕ぎ続け、昼間は太陽、夜は星に導かれながらの過酷な道程。自然に向き合う人間の「強さ」そして何より「弱さ」を知ることができたのが、自分にとって凄く大きな収穫でした。
草束舟 竹筏舟 丸木舟
国立科学博物館「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」
https://www.kahaku.go.jp/research/activities/special/koukai/index.php
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